BUILDING MATERIALS 建材セグメント

鉄鋼生産時に副産物として生まれるスラグは、
CO2削減を一気に進めるゲームチェンジャー

日本で、世界で、毎日、多くの建造物がつくられ、そこで使用されるコンクリートは膨大な量におよびます。コンクリートの材料であるセメントは、石灰石、硅石、酸化鉄を混ぜ合わせ、高温で焼いてつくられますが、そのときに大量のCO2を排出します。このセメントの30~60%を製鉄業の副産物であるスラグに置き換えたセメントが高炉セメントであり、スラグを最も消費する使用方法の一つです。
副産物のため、製造時の熱エネルギーは不要、かつ、CO2を排出することなく、CO2削減を実現します。私たち建材セグメントは、高炉セメントを代表するスラグを原料としたスラグ製品の普及を通じて、循環型社会の形成に貢献しています。
建材セグメントは、NC建材株式会社、株式会社灰孝本店および株式会社NCT四倉の3社で構成され、この高炉セメントの取り扱いを行っています。また、この3社は、建材販売に加え、工事を行う建設総合建設商社でもあり、建材セグメントは全国ネットおよび相互協力によるグループシナジーで、日本の未来づくりをサポートしています。

NC建材株式会社

NC建材は、2018年4月に、新ケミカル商事株式会社の建材部門が子会社として独立した会社です。
高炉セメントを筆頭に、鉄鋼スラグ関連製品の普及を通じて低炭素社会の推進に貢献し、セメント、生コン、固化材等多種多様な建材を取り扱いながら、建材販売と工事のシナジー効果による「総合ソリューション提案」でお客様に喜ばれています。建設業においてはマンションの独自工法であるボイドスラブ工事も行っています。
札幌から大分まで全国10ヶ所に展開する商社ですが、各拠点においては地域密着を志向しています。お客様のご要望に耳を傾け、豊富な知見と先端の技術で最適な材料・工法を提案し、確かな実現力で応えます。

材料×土木×建築の総合建材商社だからこそ可能な
「総合ソリューションのご提案」

スラグの付加価値向上を軸に建材の知識を知恵に変え、土木・建築工事に及ぶ一貫建設業だからこそできる、蓄積したノウハウ、独自の知見を有しています。材工一貫での提供こそがNC建材の強みです。

ボイドスラブで、マンションに小梁のない
大空間を創出

マンションの床にボイドスラブを採用することで、小梁のないすっきりした空間の創出が可能です。静粛性を実現し、スラブ軽量化による構造物の経済性向上も期待できるため、環境貢献とコストメリットの同時享受を可能にします。

事例 / モデルケース

離島に技術者を派遣し、できなかった建設工事を可能に

東京都神津島は、伊豆諸島に属する離島ですが、島内のゼネコンには技術者が少なく、土木工事はまだ行えますが、建設工事を行うことが困難です。そのような状況のもと、私たちは技術者を神津島へ送り、元請で工事を進めています。建材販売商社の領域を超えた活動ですが、私たちが行動することにより、島の設備が充実し、人々が元気になるのでしたらこれほど嬉しく、やりがいのあることはありません。離島という格差をなくす地域創生活動は、私たちの大切な目標のひとつとなっています。

SDGsへの取組み

住み続けられるまちづくりは、離島にとって喫緊かつ重大な問題です。漁業も、農業も、観光もそこに「人」がいてこそ成り立ちます。私たちは建築技術者・建築技術の提供を通じて、島に住む方々が快適に暮らせるまちづくりに貢献しています。

私たちが取り扱う高炉セメントは従来のポルトランドセメントと比較して、40%以上のCO2削減が可能です。また、製鉄業の副産物であるスラグを使用することで、スラグの付加価値を向上させています。生産時に大量の熱エネルギーを消費し、CO2を発生するポルトランドセメントを高炉セメントに置き換えることで、大幅に環境負荷を削減することができます。また、高炉スラグを使用した環境にやさしい路盤材、簡易舗装材・防草対策剤であるカタマSPを販売しています。

主要取扱製品

  • 高炉セメント
  • 骨材
  • 生コン
  • 地盤改良材
  • 高炉スラグ微粉末
  • 路盤材
  • 地盤改良工事
  • ボイドスラブ工事
  • 建築工事全般

株式会社灰孝本店

灰孝本店は明治18年(1885年)に京都で建築建材の問屋として開業し、看板を掲げて約140年になります。建設資材販売と建設工事の二つの部門にて構成される総合商社で、建設資材販売では生コンクリート、セメント、地盤改良材などを取り扱い、建築工事では壁工事、屋根工事から杭工事、橋梁工事、鉄道関係工事まで広く活動しています。
よく、長く続く理由について聞かれますが、特別なものはありません。私たちはただ、『お客様には最大の満足を』という理念を、経営者が、従業員が、時代が変わっても守り続けてきただけです。何もかもがめまぐるしく変わっても、変わらない大切なものがあります。

創業時から付き合ってきたメーカーとの深い連携と
お客様の希望に沿ったデリバリー

当社は創業時より太平洋セメント㈱と深く連携し、生コンクリートの販売拡大に努めてきました。各地域の特性を生かし、現場に密着した納入デリバリー実績を長い年月蓄積し、お客様の信頼を得てまいりました。これからもその姿勢は変わりません。
既存の生コンクリート等建設資材の販売を中心に、建築・土木工事の施工体制の充実を図り、立案・計画・施工・管理と一貫したトータル的な提案で「お客様満足の最大化」に努めます。

トータル的な請負工事が行える企業を目指して

変わらないものもあれば、変えていくものもあります。私たちは、よりお客様のニーズに応え、強固な企業体制を築くために、ALC工事・改良工事・耐震補強工事を中心として工事体制の拡大を行い、トータル的な請負工事が担える企業を目指しています。

事例 / モデルケース

止まらなかった漏水を先端素材で止める

役所より、民家の敷地に民家の外の水路より漏水が発生し、長年にわたり悩んでいると相談を頂きました。止水が可能かどうかというお尋ねに、ケイ酸塩系含浸コンクリート保護防水材である『エバープロロング』を提案しました。エバープロロングは、コンクリートが固まる原理と同じで、カルシウムとケイ酸塩の水中和によりコンクリート表面を固め、緻密な止水層を形成する工法です。エバープロログで止水を試みた結果、問題なく水が止まりましたが、春先の雪解け水が多い時まで状況観察を続けることにしています。
お客様のお悩みを解決する事案でしたが、エバープロロング工法による止水は今後用途が広がるチャンスと確信しています。お客様に寄り添う気持ちは変わらず、『新しい技術は積極的に導入する』京都人らしい施工事例となりました。

SDGsへの取組み

当社に併設するカフェでは、コーヒーをドリップした後の出がらしを再利用する環境配慮型コンクリートに取り組んでいます。出がらしを炭素化し、コンクリートに配合する砂を一部置き換えすることでコンクリートの強度が30%向上します。廃棄物として処理されるコーヒーの出がらしを資源として有効利用する取り組みを実証実験として行っています。

エバープロロングの工法を確立し、既存コンクリート材の長寿命化を行うことで、文化財保護に取り組もうとしています。ウレタン塗布による止水工法と異なり、コンクリートと親和性の高いエバープロロング工法は、景観的にも文化財と調和すると考えられます。

主要取扱製品

  • セメント
  • 生コンクリート
  • 軽量気泡コンクリート板
  • 押出成形セメント板
  • 固化材
  • 下地調整材
  • 建築土木材料
  • 各種工事

株式会社NCT四倉

NCT四倉は、物流会社と建材販売会社が前身で、以前、岩城セメントがあった四倉町に拠点を置く石炭・セメント・建材輸送のプロフェッショナル会社です。建設・土木現場へのセメントをはじめとする建材輸送、火力発電所への石炭輸送などの物流事業を通じて福島県の皆さんの生活に寄与しています。物流業以外にもセメントを中心とした建築建材販売、建設・土木工事事業など材料から施工まで広範囲なサポートを行っています。
福島県の地域社会に密着したビジネス展開を行い、小名浜港およびいわき市エリアでの石炭・セメント輸送事業、および小名浜港におけるセメント貯蔵・運搬の運営拠点、ひいては東北地方全体の拠点として活動を広げています。長年築き上げた信用で、地域との絆で地域経済に貢献します。

石炭・セメント輸送のパイオニア

建材セグメント唯一の東北地方で、常磐火力発電所の石炭輸送会社として、住友大阪セメントの操業・輸送会社として地域に貢献しています。東日本大震災時は、私たちも被災者でしたが、セメント・固化材を主体とした復興資材の提供により復興のお手伝いをすることができました。
また、今では、ホームセンターに行けば、何でも揃いますが、以前は、それができなかったため、工事に必要なほうき一本から配達するという町のホームセンターの役割を担っていました。みなさまの『不便』を『便利』にする、まさに前垂れかけ精神の賜物です。そのときの絆が、新しい商材の拡販に繋がっています。

SDGsへの取組み

産業廃棄物(石炭灰等)をセメント原料として運送する事業を通じ、持続可能な社会の形成に参加しています。最近は、新しい商材として、高炉スラグ微粉末を使用した環境にやさしい路盤材、簡易舗装材・防草対策剤の販売も開始し、実例を上げています。

事例 / モデルケース

  • 運送事業
  • 輸送車両(ダンプトラック、セメントバルク車)
  • 建設資材販売事業(セメント、左官材等)
  • 建設・土木工事事業